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[企画監修]シニアが社会に貢献する職場(地方創生ショートムービー)

2019.03.27

内閣府の予算事業で展開している地方創生カレッジ「連携・交流ひろば」にある地方創生ショートムービーの「地域でいきいき働く人々」コーナーにおいて、企画監修してシナリオを執筆した中小企業の紹介動画が掲載されました。

シニアが社会に貢献する職場

株式会社アレルゲンフリーフーズ/岐阜県各務原市

 

1.特 徴

従業員数6名の平均年齢は73.1歳。そのうち最年少は69歳、最高齢が76歳という株式会社アレルゲンフリーフーズでは、勤務時間を週三回(月・水・金)の9時から13時の4時間とすることで、定年後のシニアが働きやすい就業環境が整備されている。

社長の可児浩二さんは66歳で、長年社長・会長を務めていた、各務原市内にある日幸製菓株式会社を退いた後にこの会社を設立。従業員6名のうち4名は、同社を退職後に採用した菓子製造の経験者。地元高齢者の就業機会も創出しており、元自衛官もいる。

長年の菓子製造の経緯で「アレルギー体質の子でも食べられるチョコレートはないか」との声が寄せられたことから、「全ての子どもたちに、チョコの美味しさを知ってもらいたい」との想いを強め、日幸製菓の会長を退任後に商品を開発して会社を設立した。

アレルギー症状を引き起こす食品は27品目あり、その内でも重い症状を引き起こしやすい、あるいは症例数が多い7品目(卵・乳・小麦・蕎麦・落花生・海老・蟹)が「特定原材料」と定められている。当社のチョコレートには27品目の全てが含まれない。

2.背 景

株式会社アレルゲンフリーフーズは2017年(平成29年)の創業で、2代目社長ならびに会長として勤めあげた日幸製菓株式会社をご子息に事業承継した後、可児浩二社長が自らの退職金や預貯金を元手に、社会に恩返ししたいとの想いから設立した会社だ。

日幸製菓株式会社は1954年(昭和29年)の創業で、現社長の可児直往さんで三代目となる。岐阜県の県庁所在地である岐阜市の東部に位置する各務原市にあり、チョコレート菓子を中心にゼリーなどの商品を自社ブランド生産ならびにOEM供給している。

従業員120名を動員してチョコレート菓子を大量に生産する日幸製菓の工場では、アレルギー物質がどうしても混入してしまい、機械を洗浄しても残留物質を取り除くのは難しいことから、可児浩二社長は新会社を設立するとともに用地を取得して生産を開始。

住宅地の一角にある平屋の建物。外から見ると単なる貸し工場にしか見えないが、二重の扉を開けて中に入るとカカオの甘い香りに包まれる、クリーンな菓子工場となっている。原材料の混入工程から自動で型枠に固める工程まで、従業員が手際よく操作する。

3.強 み

アレルゲンフリーチョコレートの市場規模は全体の1~2%と小さく、大手の菓子メーカーは対応に手間もかかるため、まず進出してこないニッチ市場であると可児社長は語る。全国で当社だけが対応しており、オンリーワン企業としての地位を確立している。

チョコレートの原材料はほぼ輸入品で構成されており、輸入商社である株式会社ニッコーをグループ企業に持ち会長を務めている強みを発揮して、原材料から一気通貫で安心安全なアレルゲンフリー商品をお客様に届ける体制を整えており、見学者も多く訪れる。

商品づくりに当たって苦労したのは甘みを出すこと。乳製品を使わないと苦味が強くなり、子どもには不向きとなってしまう。長年に渡りチョコレート製造に携わってきた経験を強みとして活かし、製造工程を条件変更することで苦味を抑えることに成功した。

社長は役員報酬を当社から取っておらず、原材料費や従業員の人件費などを除いた利益は児童福祉施設に寄付している。今後はシニア世代とともに児童福祉施設の子どもたちの就業機会も創出していきたいと考えており、養護学校の先生たちと相談を進めている。

 

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