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[シナリオ]Turning Point モノづくり編301 "突き抜ける発想"と"他者との連携"が新事業を生む!

2018.06.29

"突き抜ける発想"と"他者との連携"が新事業を生む!

 

有限会社片岡電工(各務原市)

[全文公開]番組シナリオ

1.背 景

ここは各務原市内の一軒家の民家。ガレージの天井には、最近ではよく目にするソーラーパネルが設置されている。実はこのガレージの設置費用、ほぼゼロ円で済んだと云う。太陽光発電による売電やオール電化による光熱費削減により発生する資金で、設置費用を賄う仕組みだ。

屋根つきの車庫に改装しようにも工事費の高さに躊躇していたオーナーは、この「0円ガレージ」の提案を受けて、安心して発注したと云う。提案プランのお得感から顧客にお得なサービスとして注文され、問い合わせや注文が相次いでおり、人気のリフォーム工事となっている。

この提案を中心的に取りまとめているのが、電気工事業を本業とする各務原市に本社がある片岡電工・片岡社長だ。通常は住宅メーカーや電力会社の関連企業からの仕事が多い中、下請け業から脱却したいと考え、色々な取り組みをする中から生まれた人気のヒット商品となった。

2.由 来

片岡電工は、現社長の片岡浩二社長の父親が1991年に電設会社から独立し、一人親方として創業した電気工事業者。高校卒業後すぐ会社に入り父親を手伝い、幾多の苦労を共に乗り越えて会社の礎を築いてきた片岡社長は、2014年に社長に就任した。社員数は現在18名。

創業当初は仕事も少なく、民家を一軒一軒訪問して電球一つから売り歩いた。また、小さな会社の特性として、どうしても大手の元請け企業の言いなりの価格や工期で受注せざるを得ない状況から脱したいと考えていた片岡社長は、何とか自社で受注をしたいと考えあぐねていた。

しかしながら、小さな会社一社では大きな規模の提案は難しく、また信用も得られないため、壁に突き当たった。そこで考えたのが、小さいながらもそれぞれ腕と技術には自信があり、実績もある企業同士が手を組んで共同提案をすることだ。そして「0円ガレージ」は誕生した。

3.本 題

電気工事や建設、鉄鋼、塗装、造園を手掛ける5社が作業を分担して、ガレージの建設やリフォームを行う。小規模事業者間の連携でサービスの幅と顧客層を拡大し、信用力を得て下請け脱却を目指す取り組みとなっている。直接顧客との接点を持ち、受注する仕組みの完成だ。

民家のガレージ工事には500万円ほどの費用が掛かるものを、売電収入に加え光熱費削減で浮いた資金を活用することで、設置費用の実質的な負担がなくなったり、利益が出る可能性もあると云う。顧客も業者も得をするビジネスモデルとして自信を持ってお薦めしている。

片岡社長はさらに次なる一手も考えている。飲食店など家族連れが多く集まる場所に相談窓口を設置して、住まいの無料相談に対応することで、住宅リフォームや新築の商談を自社が主導して地域の工務店に紹介する仕組み。小さな企業同士が手を組んでスタートした新事業だ。

4.解 説

中小の電気工事業者の多くは、提案力や信用力の格差から、大手の電力会社やハウスメーカーに受注を依存しています。下請け構造の中で大幅な値引や短い納期、そして激しい企業間競争に晒され、厳しい経営環境に置かれているのです。

ご覧戴いた片岡社長は、下請け構造から脱却したいと考え、同じ想いの企業同士が手を組むことで、提案商品の開発に成功しました。突き抜ける発想で厳しい経営環境から脱却し、足りない要素は他社との連携で補い、営業の最前線に立ったことが、成功への分岐点になったと云えるでしょう。

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